化粧品のできるまで2「作り手の苦労話」

前回は、化粧品づくりの企画からどんな化粧品原料を使うか決めるまでをお話ししました。

引き続き今回は、試作品が出来上がってから一般に販売する商品になるまでをご紹介します。

試作品が出来上がったら、まず自分で試します

化粧品の試作品が出来上がると、化粧水や美容液の場合はその透明度と色、クリーム類の時は粘度をじっくり確かめます。また、開封した時の香り、肌にのせて体温で変わった時の匂いも重要です。

使用実験は、まず敏感肌の私で試してみてOKを出したら、スタッフやお弟子さん達に試してもらいます。私の肌で試してみて心地よくないと判断したものは作り直してもらいます。使用実験の最終段階では、個人のお客様にご協力いただくこともあります。

クリームに青カビが!?時に失敗もあります

5年ほど前にスキンケアクリームを作りました。試作品の段階では問題がなかったのですが、製造後6ヶ月経った9月頃に青カビが現れました。ヒアルロン酸の配合量が多いのに対して、防腐剤を最小に抑えたのが原因でした。

ヒアルロン酸の分量は薬事法で決まっていないので、保湿効果を上げたくて、大量に入れてしまいました。青カビは人体への影響はないと言われていますが、青カビの生える白クリームは世に出ることはありませんでした。

高い効果を上げようとすると安全のために防腐の量が増え、安全性を重視しすぎると効果の少ないものになってしまうので、頃合いで苦労しています。

容器の素材、容器の形など

化粧品の中味がこれでよいとなると、用途や使用目的で容器の素材・タイプを決めます。安全性にこだわると、ガラス瓶が一番ですが、リサイクルや価格の問題で、PP(ポリプロピレン)容器が主流となります。かならず日本製を選んでいます。

例えば、リキッドファンデーションやUV剤には振るとカラカラ音がするものがありますが、あれは中に銀色の玉が入っています。日本製ですとステンレス製で、一個15〜20円します。

海外製ですと安価なものがありますが、鉄製でサビが出て化粧品の成分に変化が起こってしまうことがあるので、私は日本製を選んでいます。

オイル類は製造後膨張することが多いので、それに耐える容器にします。

ネーミング、ラベルなどは手作りに近いです

通常は専門のコンサルティング会社に依頼するのですが、私はたくさんの予算をかけません。スタッフやお弟子さん、お客様など、身近な方々の協力でネーミングをし、ラベルのデザインを決めます。ラベルはリサイクルマークなどの表記義務を守って作製します。

新製品の登録をします

国内で販売する商品は、日本化粧品工業会へ登録します。私の作る化粧品は禁止成分や、グレーな成分は一切配合していないので、登録で問題になることはありません。パンフレットやWebでの商品説明は、薬事法の制限があるため、とても大変です。

薬事法により、表現できない言葉が日々増えています。例えば、販売担当者が「必ず治る」「絶対美白になる」などと言って販売した場合は薬事法違反となります。そのため、販売員教育もしっかり行わなければなりません。

このような工程を経て、化粧品の新製品を発売します。製品を作る側の様子が少しわかっていただけたのではないでしょうか。化粧品を選ぶ際の参考になるとうれしいです。

まとめ

•試作品が出来上がると、使用実験をします
•効果と安全性、安定性の頃合いが難しいです
•容器は日本製を選んでいます
•ネーミング・ラベルにはお金をかけません
•薬事法の制限があるので、販売の際の表現にも気を使います