アジア人女性共通の肌悩み:ミャンマー編

ミャンマーという国をご存知ですか?

ミャンマーは、インドシナ半島西部に位置し、北東に中国、南東にタイ、西にバングラデシュ、北西にインドと国境を接する国です。ビルマ、というとピンとくる方もいるかもしれません(1989年に英語による対外呼称がBurma から Myanmarに変更)。かつてはイギリスの植民地で、その後軍事政権による鎖国の時代が長く続きました。ノーベル賞平和賞を受賞したアウンサンスーチーさんは、軍事政権により15年以上に及ぶ自宅軟禁を強いられていました。

現在では新政権の下、民主化や経済改革が進んでいます。それに呼応し日本企業を含む外国企業が、続々とミャンマーに進出し急速な発展が進んでいます。

私とミャンマーとの関わり

私は7年前に、ミャンマー人の肌ケアのために協力を依頼されました。当時は電力の供給が十分でなく、オールハンドによるケアを行っているフェイシャルなら、電気がなくとも施術が可能だったからです。

以来、ミャンマーに魅せられた私は現在だいたい月に一度の間隔でミャンマーを訪れ、のべ100人以上にフェイシャル施術を行っています。

ミャンマー人の肌

ミャンマー人の肌はキメが細かく日本人に似ています。暑い気候で汗をかくので、自覚はないものの、実際は肌が乾燥に傾いた状態の人が多いです。乾燥肌が多いのも日本と似ています。

メイクは伝統的に自然素材(タナカ)を好む傾向にありましたが、現在の急速な発展により様々な肌トラブルが起こっています。

不思議な日焼け止めタナカ

ミャンマーに行くと、ミャンマー人女性が、顔に白いフェイスペインティングのようなものをしているのを見かけます。この水白粉のようなものがミャンマー独自の日焼け止め、「タナカ」です。

タナカはミカン科の樹木で、手頃な大きさに切ったものを丸い石板ですりおろします。これを顔や手足に自分の好むままに、ある人は顔全体、ある人は頬骨の上に丸くなど、に塗ります。塗ると白檀に似た芳香がし、肌に心地よい冷感を感じます。紫外線防止の他に、肌に栄養を与える、保湿、殺菌などの効果があるとされています。

私はタナカを使った化粧品を開発できないかと考え、タナカを持ち帰っていくつかの機関に分析を頼みました。残念ながら現在タナカの数が減ってきているそうで、成分として使えるかわかりません。ただ、より良い化粧品作りの参考にできるのではないかと考えています。

顔を洗う習慣がないミャンマー人

伝統的にタナカを使ってきたため、ミャンマー人には寝る前に顔を洗う習慣がありません。(汗をかいたら水で流すことを「顔を洗う」といいます。日本とはやや感覚が違うようです。)

水溶性で肌に優しいタナカは、落とさないで翌日またその上にタナカを重ねても問題ありませんでした。

しかし、油性のファンデーションではそうはいきません。ファンデーションが普及し始めたのに関わらずクレンジングをする習慣が未だ浸透していないため、ニキビに悩むミャンマー人が近年急増しています。オイルベースの化粧に合ったスキンケアが普及していないのが現状です。

水が良くないミャンマー

ミャンマーの人は水道の水を飲みません。ペットボトルの飲料水を買って飲みます。水道水の質が大変悪いからです。洗顔料やシャンプーの泡立ちも日本より悪いです。ミャンマーに行くと、日本の水の良さを実感します。豊富な水量があり、安心して水道水が飲め、軟水で洗顔料などとの馴染みが良い。実はこのように水が豊かな国は世界の中であまりありません。日本人は肌がキレイと外国の方からよく言われますが、水のおかげも大きいと思います。

美肌の条件は一緒

美肌の条件は、1) 皮膚の生理機能を整えること 2) 体内の機能を正常化すること 3) 心身の健康 です。ミャンマーでも日本でも変わりません。

ところが、ミャンマーでは食生活や運動が肌に良いということを理解している人はまだ一部です。健康と肌の関係と、肌理論(ターンオーバー、顔筋マッサージ、保湿の重要性など)を伝えていくことで、ミャンマー人も日本人に負けない美しい肌を作ることができると考えています。